2013年12月14日土曜日

「Stuttgart物語」 ~未来への音 ~ お披露目ライブ    *その1*


 とうとうやって来ました、修復の終わったピアノのお披露目会です。
ピアノのお誕生月に合わせて、生まれ変わったピアノの音を皆さんにご披露しようと、コンサートとパーティーを企画する事となりました。

12月14日にはコンサート、21日には遊工房の忘年会も兼ねて関係者の方々にお集まり頂き、興味のある方はピアノの試し弾きもできる、という志向にしました。

さて14日、会場設営に遊工房へ行くと、ありますあります、蘇ったピアノが!
ボディーの古い塗装が剥がされ、明るい茶色になっています。
中をのぞくと、弦が新しいものに張り替えられ、ピンを差し込むピン板も新しいものに付け替えられ、ヒビの入っていた響板も修復完了。演奏が可能な状態になりました。


弾いてみると…18世紀の、ピアノの初期の頃の様な、チェンバロにも似た音がします。
鍵盤のタッチが意外にも手の感触に細かく敏感に反応します。指先を早く少しだけ動かすと鋭く乾いた音が出、指の腹でむんずと掴むとやわらかく厚みのある音と、力の掛け具合に細かく反応します。

まだ弾き込んでいないのでこのピアノの音が決まった訳ではありませんが、現代の新しいピアノよりも、高・中・低音域の音域による音色の違いが大きいように感じました。
例えば、バッハの曲を弾いていて、曲中で弾く音域が移動するとそのまま何もしなくても音色が変わり、表情が変わります。今のピアノは、どの音域もムラなく均一に音色が揃う様に作られているので、変化の付け方に工夫が必要です。楽器を製作する時の考え方が違う様に感じられます。


さて演奏、ピアニストの新井陽子、ダンスの木村由(きむらゆう)さん、ギターの野村雅美(のむらまさよし)さんの三人の即興演奏。修復に当った斎藤雅顕さんにも駆けつけてくださり、多くのお客様に恵まれて、遊工房のギャラリースペースが奥深い音の森に変貌したのでした。



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